2025年度の健康情報科学部健康情報学科スポーツ科学専攻の水泳・水中運動の授業において、スマートゴーグルを活用した指導と指導方法の研究を開始しました。
スマートゴーグルとは、水泳の時に使用するスイミングゴーグルのレンズ部分にリアルタイムに情報を表示できるウェアラブルデバイスです。水泳時の距離や時間をリアルタイムで表示できるのはもちろんのこと、連携したスマートフォンで分析された情報を確認することができます。中でも、泳中の角度などを視覚的に表示し、その履歴を比較することで、パフォーマンスアップのための指導に役立てることができます。
授業では、クロール泳中の頭の上下位置や息継ぎ時の頭の上げ角など、スマートフォンに表示された情報をもとに、スポーツ科学専攻の神野周太郎特任准教授が学生たちにパフォーマンス向上のための指導を行いました。
指導前後の分析情報を比較すると、頭の位置がベストポジションに近づき、50mのタイムも速くなるなどスマートゴーグルを活用した効果が現れています。水泳・水中運動の授業は、同専攻の教育職員免許状の保健体育(中・高)を取得するための必修授業にもなっており、履修した学生たちは、教職に就いた際の生徒の指導にどう活用するかという視点で、検討を重ねていました。
学生からは「初学修者にとって、従来のお手本とは異なる新たな学びのきっかけになり得そう。」、「デジタル化された情報を運動者の主観的感覚とどう擦り合わせるかが大切かもしれない。」、「スポーツ科学を活用した大阪電通大らしい研究課題として活用できそう。」との声が聞かれました。
スポーツ科学専攻では、今後、授業での活用以外にも、スマートゴーグルを使用した指導法などについて研究を進めていきます。同専攻の学びは、世の中にあふれるデジタル情報を適切に解釈し、有効に活用する力を養うとともに、その基盤となる科学的思考力や資質・能力の向上をめざすものです。これは、スポーツサイエンスの視点にデジタル技術を組み合わせて活用する、「スポーツDX」の考え方にも通じています。この学びは、学生が将来、体育・スポーツ・運動・レクリエーションを通して人々のウェルビーイング形成に関与する側になった際に、最もその価値を発揮することが期待されています。
大阪電気通信大学は、「デジタルスキルで人生を切り拓け」というキャッチコピーのもと、社会や人生に役立つ「デジタルスキル」が身につく教育を実践しています。
健康情報学部健康情報学科スポーツ科学専攻