建築学科3年生の「建築材料・構造実験」の授業で、コンクリートの練混ぜ実験と、鉄筋コンクリート梁の曲げ実験を実施しました。
まず、寝屋川キャンパスの構造実験室でコンクリートの練混ぜを実施。
水、セメント、砂利、砂などをミキサーで混ぜ合わせ、スランプ試験や、空気量の測定などの試験を実施。その後、破壊実験用のテストピースや2種類の鉄筋コンクリート梁を製作しました。
また、その後は化学混和剤の効果確認実験も実施しました。
セメントを入れたカップA、Bを用意し、Aには水のみ、Bには水に少量の化学混和剤を加えました。水のみではぼそぼそとして混ぜにくいセメントが、少量の化学混和剤で柔らかく変化します。この技術が現在のタワ―マンションの林立の原動力になっていることを学びました。
学生たちは、AとBのカップの違いを興味深そうに観察していました。
後日、万能試験機を用い、完成した鉄筋コンクリート梁に力を加え、梁のたわみ値の測定や曲げ変形の観察を行いました。
この実験演習では、徐々に力が加わり梁がたわんでいく様子や、力と変形のグラフから、鉄筋コンクリート梁の曲げ変形性状を体感し、人の命を守る構造を考える機会となりました。
学生たちは、鉄筋コンクリート梁の「曲げ破壊」と「せん断破壊」のひび割れの入り方の違いを観察したり、実験の様子を写真や動画で撮影するなど、鉄筋コンクリート部材の崩壊の様子を観察し、熱心に演習に取り組んでいました。
あばら筋が多い「曲げ破壊型」の梁(左)と、あばら筋が少ない「せん断破壊型」の梁
手前 曲げ破壊:たわんで、縦方向に小さな曲げひび割れが等間隔でゆっくりと進行します。
奥 せん断破壊:斜め方向にせん断ひび割れが急激に生じます。