電子機械工学科 兼宗進教授(本学副学長・ICT社会教育センター長代理)が東京農工大学、明星大学との共同研究として開発した、プログラミング教育のためのシステム「Bit Arrow」は、無償の情報教育支援ツールとして公開されてきました。
「Bit Arrow」は2016年の公開以降、全国の高校の専門科目等で活用されて来ましたが、今年度からプログラミングの内容を含む「情報I」の科目が必修化されたことで利用者数が急増。
兼宗教授らによる利用ユーザー調査によると、今年度1学期から利用者数が増加しはじめ、今秋2学期開始以降に急増していることが分かりました。月毎の利用者数は、前年度の同月と比較して3倍を超えています。
また、東京・大阪・愛知等人口が多い都市圏を中心として、全国的に幅広く利用されていることも分かりました。
一般に、プログラミングの授業では実習用のソフトを事前にPCにインストールしておく必要がありますが、「Bit Arrow」でのオンライン学習にはその必要がありません。
そのため授業を担当する教員にとっては、事前準備の負担を大きく軽減できるというメリットがあります。教育現場での利用実績が急増した背景には、現場のユーザビリティに配慮した開発構想が支持され、一気に拡大・浸透していることも一因と考えられます。
今回の利用者数増加を受けて、兼宗教授は「学習指導要領では、情報Ⅰが(1)情報社会の問題解決、(2)コミュニケーションと情報デザイン、(3)コンピュータとプログラミング、(4)情報通信ネットワークとデータの活用の4領域で構成されている。今回の利用者増はプログラミングを扱う、コンピュータとプログラミングが、夏休み明けの2学期に全国の高校で実施されたことが理由として考えられる。今後もプログラミングが生活に寄り添った学問となってくれれば」とコメントしています。
少し前まで、工業・商業高校の専門科目として扱われてきたプログラミングを含む情報教育は、2022年、普通科の一般科目として導入され、2025年より国立大学の共通テストで必須科目に指定されます。
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