2016.09.14
中田研究室が布目ダム(奈良市)にて実地調査実験および講演会などを行いました
工学部環境科学科の中田研究室(中田亮生教授)が8月29日(月)〜9月1日(木)にかけて、布目ダム(奈良市)において、水中の溶存酸素および循環流を測定する実地調査実験を行いました。当ダムにおける実験は昨年に引き続いて2回目で、本学メカトロ二クス基礎研究所の特定共同研究の一環として、独立行政法人水資源機構との協定に基づく協力を得て実施したものです。
実験期間中は、中国・西安建築科技大学の盧金鎖(Lu Jinsuo)教授をお招きし、共同で実験を行うとともに、31日(水)には現地の水資源機構管理所にて、奈良県内の関係機関の方々等を対象とした講演会も実施しました。また、ダム管理所の特別な取り計らいで、管理所内と堤体(ダムの内部)の見学会も行われ、学生たちにとっては大変良い勉強の場となりました。
<ダム貯水池における水質保全に関する講演会(平成28年度)>
講演内容
■『西安金盆ダム貯水池における藻類機能郡の遷移特性』
講師:西安建築科技大学(中国) 盧 金鎖 教授
■『ダム貯水池の水質保全対策-水資源機構の取組紹介-』
講師:水資源機構本社ダム事業部環境課 酒井 健寿 参事役
■『布目ダム・日吉ダムにおける複合型曝気循環装置の実地調査実験(平成28年度)』
講師:大阪電気通信大学 工学部環境科学科 中田 亮生 教授
実験では中田研究室の4年生と大学院生の計11人が参加し、当該のダム貯水池の水環境に関わる貴重なデータを取得することができました。同様の実験はこれまでに日吉ダム(京都府南丹市)でも実施されており、得られた各種データは今後、これらのダム湖に設置された新型の曝気装置の性能評価と、その最適な運用方法を見出すために活用されます。
本実験は、本学メカトロ二クス基礎研究所(MERI)の特定共同研究「複合型曝気循環装置※の最適運用法に関する研究」の一環として、独立行政法人水資源機構と株式会社丸島アクアシステムおよび西安建築科技大学盧教授との産官学共同で実施しています。
※複合型曝気循環装置・・・
貯水池深層での酸素不足を解消すると同時に、表層でのアオコの大量発生を抑制することを目的とした水環境設備です。1台で2機能を選択的に運用できるのが特徴で、独立行政法人水資源機構と株式会社丸島アクアシステムによって共同開発されました。大阪電気通信大学の中田研究室では2009年以降、その開発と評価および最適運用のために、協力して各種実験を行っています。
実験風景
講演会
管理所内の見学会
ご協力いただいた方々と記念撮影