2018.02.28
デジタルゲーム学科の1年生がデザインで問題を解決!
デジタルゲーム学科では、プロジェクトを進めるのに必要な知識やスキルを段階的に身につける実習を行っています。今回は1年生の「プロジェクト実習」のひとつである「デザインで問題を解決しよう」というテーマで学内環境の観察を通し期間内に新しい価値を創造して提案することを目的とした活動(=プロジェクト)をご紹介します。
デザイン思考とは、対象とその周辺をよく観察し、問題を発見し、視覚化し、伝えるというデザインのプロセスを利用して、クリエイティブなアプローチから、様々な問題を解決しようとする思考方法です。その中で、今回は学内のゴミの分別に注目。清掃スタッフの方達がいつも手でゴミの仕分けをし直しおり、「なんとかしたい」という想いから今回のテーマが決定。さっそく清掃スタッフの方や大学関係者の方にインタビューを行い、また学生を対象にアンケートも行いました。
インタビューでは、ゴミの再分別にとても時間が掛かることや、飲み残しが入ったペットボトルや缶、カップ麺が多く、ゴミがとても重くなっていることも知りました。また「現状のゴミ箱でペットボトルをどちらかに分別するなら、ビン・カンのゴミ箱に分別してもらう方が作業をしやすい」という意見を聞きました。
さらに学生アンケートでは、57%が「その他・一般」のゴミ箱へ、31%が「ビン・カン」のゴミ箱に捨てている状況が判明。つまりペットボトル専用のゴミ箱がない場合には、どちらに捨てるかは人それぞれであることが分かりました。(アンケート対象:299名)
そこで、現在のゴミ箱をそのまま利用しつつペットボトルをビン・カンのゴミ箱に分別できるようにするには、「その他」「一般」のゴミ箱のステッカーを併せて改善してはどうかと考えました。
インタビューとアンケートを元に、ペットボトル購入から捨てるまでのプロセスを分解しながら、分別されていない原因や解決法、さらには世界のゴミ問題についての情報を見て、自分たちが取り組んでいる問題が何に繋がっているのかということも考えました。
改善のポイントは「情報の単純化」と「図と地(背景)のコントラスト」の2点です。
最も重要な情報である情報を単純なピクトグラムと文字で示し、図と背景のコントラストを高くすることで可読性を向上させ、一目で分かるような表示に改善するデザインを考えました。
以前は、多くの自治体で「燃えるごみ(可燃ごみ)」「燃えないごみ(不燃ごみ)」「粗大ごみ」という分別が一般的でした。単純に火がつくかどうかで分けられていた「燃えるゴミ」の表示から、容器包装リサイクル法の制定などにより、燃えるものであっても焼却処分せず、分別して再資源化するようになりました。例えば、新聞紙や雑誌などの古紙類や、古着などの布類、ペットボトルなどは「資源ごみ」、紙くずや台所ゴミなどは「燃やすゴミ」「燃やせるゴミ」などに名称を変更している自治体が多くなっています。
この試作デザインを大学にプレゼンテーションしたところ、学内で採用されることとなり、現在四條畷キャンパスの各ゴミ箱に順次新たなデザインの分別表示ステッカーが取り付けられています。
授業の中で、学びながら課題を見出して解決方法を自分たちで考える経験は、学生の皆さんにとって専門性のみならず社会性や実践力を身につける機会となっています。さらに続く「プロジェクト実習」や「社会プロジェクト実習」での活躍が楽しみです。