2025.01.21
大学院建築学コース「ICT建築設計生産論」の授業で特別講義が行われました
本学は、文部科学省が実施する令和3年度「デジタルと専門分野の掛け合わせによる産業DXをけん引する高度専門人材育成事業」に選定を受け、建築の各工程(計画、設計、施工、保守)においてBIMを活用したシミュレーションを行うことができる高度な専門人材の育成を産業界と連携して推進しています。
BIM(Building Information Modeling)とは、デジタル空間に建物を再現し、建築に関するあらゆる情報を集約できるプラットフォーム。BIMモデルがあれば、建物の設計、施工、完成像、さらにその後の維持管理に至るまでの情報を、すべての関係者で同時に共有できるようになり生産性の向上に直結します。
本事業に関連して、大学院工学研究科建築学コース「ICT建築設計生産論」の授業では、BIMのソフトウェア業界や設計事務所で活躍する5社の企業の方々をお招きし、各社が開発販売するソフトウェアを用いて実践的な授業を全5回にわたり開講しました。
2024年10月21日(月)はRevit-SS7連携をテーマに、「SS3」や「SS7」などの一貫構造計算ソフトウェアを主力商品とするユニオンシステム株式会社 蔵盛正行氏、西田智朗氏、辻雄規氏をお招きし、「SS7 Revit Link」を使用した実習を行いました。
28日(月)はBIM構造設計の現状と将来像をテーマに、建築設計監理・調査・企画・コンサルティング・マネジメントを行う総合設計事務所 株式会社東畑建築事務所 山本敦氏をお招きし、SS7で作ったデータをRevitにコンバートして、Revitを用いて構造図の作成を行いました。
11月18日(月)はBIMと省エネ計算(Revit - A-repo2)をテーマに、建築物の省エネなどの環境面やITを活用した空調設備ソフトを提供する株式会社イズミコンサルティング 西井祐樹氏、阿部哲也氏をお招きし、設備BIMクラウドサービス「B-LOOP」を使用した実習を行いました。
25日(月)はBIMと積算「Revit-ヘリオス」連携をテーマに、システム開発や建築数量積算システムのパイオニア 株式会社日積サーベイ 田川彰氏、辻尾勇人氏をお招きし、建築積算業務の効率化を図るために開発された「HELIOS(ヘリオス)」を使用した実習を行いました。
12月23日(月)はFM-Integrationによるクラウド型施設管理をテーマに、ファシリティ・マネジメント(FM=施設管理)のソフトウェアを開発する株式会社FMシステム 柴田英昭氏、渡邉舞氏をお招きし、ビルやマンションなど建物管理にかかる将来的な費用を計算できるソフトウェア「FM-Integration」を活用した長期修繕計画の作成を行いました。
また、建築業界が直面する4つの重要な課題(サステナビリティ・レジリエンス・効率性・人間)や維持管理におけるBIM連携のメリット、生成AIによるFM-Integrationの活用例などご説明いただきました。
最新のソフトウェアを活用した実践的な実習に、学生たちは熱心に取り組んでいました。
■受講学生のコメント 辻里実さん(工学研究科建築学コース1年)
「日頃の授業で実務的観点から学んでいましたが、企業の方々から直接講義をいただき、各社のソフトウェアを使用して実践的な内容の授業を受けることができたことは、とても良い経験と学びになりました」
受講した学生たちは、今まで学んできたBIMが社会でどう活用されているかを肌で感じることができ、貴重な学びの場となりました。
講義いただいた企業
10月21日(月)ユニオンシステム株式会社
10月28日(月)株式会社東畑建築事務所
11月18日(月)株式会社イズミコンサルティング
11月25日(月)株式会社日積サーベイ
12月23日(月)株式会社FMシステム
関連リンク
研究室紹介サイトWHO’S LAB(飯島憲一教授)