工学部基礎理工学科

2017.12.18

宇宙線による最先端の透視技術「ミューオンラジオグラフィ」の実践

12月14日3時間目、6階だての実験棟Y号館の屋上で、強く冷たい風が吹くなか、15名の学生が実験を行いました。

基礎理工学科「基礎理工学ゼミナール」は、設定された複数のテーマから1つを選択し、これまで学習した科学や数学に関する知識や技術を駆使して、与えられたプロジェクトを達成するゼミ形式の授業です。
実験を行っているのは、多米田 裕一郎講師が担当する「ミューオンラジオグラフィー」を選択したグループです。


設置した2つの計測器が測定しているターゲットは宇宙線ミューオン。

 


ミューオンは、宇宙線に含まれる高い透過力を持つ素粒子。
医療現場や空港の手荷物検査などで幅広く利用されているX線の透過力は数cmなのに対し、ミューオンは岩盤1kmでも透過することができます。
このようなミューオンの特徴を利用し、従来の技術では不可能だった大きな構造物を非破壊で透過する技術を「ミューオンラジオグラフィー」といい、火山や原子炉、ピラミッド、など大きな構造の測定方法としても注目を集めています。

今回の実験では、Y号館各階のミューオンの数を観測。
ミューオンは、物質を通過するごとにエネルギーを失い、階を重ねるごとに、物質中で止まってしまうため、検出される数が少なくなります。
この原理を利用して、検出器で測定されたミューオンの数から、Y号館の内部構造を推定しました。

ミューオンの数の測定方法は、これまで学んだ知識から、学生が決定。
目でみることができないミューオンをカウントするため、「霧箱」と「プラスチックシンチレーション検出器」を用いて実験を行いました。

 

【シンチレーション検出器】放射線が通ると光を発する物質をシンチレータといい、この光を光電子増倍管で何倍にも増幅して電気信号に変換することで、ミューオンの数を測定する。

 

 

【霧箱】容器中のエタノールを過飽和状態にすることで、宇宙線がそこを通ると白色の霧ができる。その跡を数えることでミューオンの数を測定する。
 

 

 

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