基礎理工学科2年生を対象とした「サイエンス実験」では、様々な実験課題に挑戦し、データの取得、それらデータの整理および計算処理を行っています。この実験科目に、今年度より新しく「宇宙放射線の天頂角分布の測定」の実験課題が追加されました。
自然放射線の一種である宇宙線とは、宇宙から地球に飛来する放射線のことです。この宇宙線は、1912年に発見されて以来、いまだに起源が解明されていない宇宙物理学分野の重要な問題のひとつです。特に、宇宙線ミューオンは、その透過力の高さから火山やピラミッドなどの内部構造を透視するミューオグラフィーという新しい技術への応用が期待されるなど、近年非常に注目されています。
この課題では、あらゆる方向から飛来している宇宙線ミューオンを、天頂角ごとに計測します。
測定に使用される放射線検出器と放射線計数機は、多米田研究室の学生が3代に渡り開発したものです。2年かけ設計、プロトタイプを製作し、3年目に量産、授業へ導入することができました。
この日は、多米田研究室の大学院生 吉田風吾さんのサポートの中、学生らは検出器の角度を15度ずつ変えながら、各10分計測を行いました。
計測後は、多米田 裕一郎講師や吉田さんからの解説を聞き、理論式と測定値のグラフを完成させました。