建築学科3年生の後期授業「建築環境工学演習」では、「パッシブハウスを考える」というテーマで、3、4人で一班とするグループワークの授業を行いました。
今年が3年目となります。
グループワークでは、各班でコンセプトを考え、木やアクリル板、断熱材などを用いて、パッシブハウスの模型製作を行い、模型内部に温度センサーを挿入して、1週間程度、模型内部温度、外気温・日射量を計測しました。実験ごとに少しずつ模型を改良しながら、合計5回の実験を行いました。
最終のプレゼン発表会で、今年最優秀に選ばれたのは1班で、ソーラーチムニーによる換気を採用したパッシブハウスでした。
模型の上部に煙突のような形状を設け、この煙突に日射が当たることで煙突内部の空気が暖められて、上昇気流が発生して屋外に空気が排出され、室内が負圧になります。そのため、模型の下部に設置している通気口から空気が入るようになり、換気ができます。煙突内部を黒い画用紙とアクリル板を用いることで上手く日射熱を集熱でき、室内の換気ができていることを温度計測から確認できました。
また、優秀班に選ばれた6班は、すだれとカーテンの遮熱効果について実験で調べ、その性能を明らかにしました。
カーテンは室内で日射熱を遮蔽しますが、日射が室内に入ってしまいます。一方、すだれの方は建物の外で日射熱を遮蔽するため、カーテンに比べて室内に入る熱を効果的に抑えることができていることを実験によって確認できました。