2025.07.09
建築専攻2年生「プロジェクト活動演習1」の授業で八木邸見学を行いました
6月30日(月)、建築学科建築専攻2年生を対象に「プロジェクト活動演習1」の授業の一環として、寝屋川市香里園にある「八木邸」の見学を行いました。
設計を手がけたのは、建築家・藤井厚二氏(1888–1938)で、自身の実験住宅として知られる京都府大山崎の「聴竹居(ちょうちくきょ)」(国の重要文化財)をはじめ、環境工学的視点を取り入れた先進的な住宅設計で知られています。
今回見学した八木邸は、1930年に大阪の実業家・八木市造氏が施主となり、藤井氏が設計、大工の酒徳金之助氏により建てられた木造二階建ての住宅です。2023年には、国登録有形文化財建造物として登録されました。
この住宅は、冷暖房設備がまだ一般家庭に普及していなかった時代において、通風や採光などの工夫により快適な居住環境を実現しています。たとえば、夏を涼しく過ごすため、1階の床下や2階寝室の通風窓から空気を取り入れ、室内を風が通り抜け、暖められた空気が2階上部の通気窓から排出される構造となっています。また、建物だけでなく、家具や照明、陶器などの細部に至るまで藤井氏がデザインしており、それらが今も良好な状態で現存している貴重な住宅となっています。
当日は、建築史を専門とし藤井氏の研究にも取り組む、建築・デザイン学部 建築専攻 矢ヶ崎善太郎教授が応接間にて学生たちに解説を行いました。さらに、八木邸倶楽部のスタッフの方々にも、台所や2階の各部屋、外観などについてご説明いただきました。
学生たちは、歴史ある建築に直接触れ、熱心に説明に耳を傾け、観察しながらメモやスケッチを取り、学びを深めていました。