4月8日(月)から新学期の授業がスタートしました。工学部建築学科でも新入生の授業が始まり、5月6日(月)には建築学入門「寸法感覚を身に付ける」が行われました。新入生はそれぞれの班に分かれてキャンパスの建物内を実測し、普段使用している教室やトイレなどがどのように設計されているかを学びました。
まず教員が授業内容について説明し、「教室では部屋の広さや机の高さ、廊下にある掲示板の見やすい位置、トイレは廊下から中が見えないようになっていること、なぜ東階段は折り返しになっているのかといったことを、実測しながら考えてほしい」と話し、「建築は、知らなければ設計はできない。今回は男女のトイレも実測範囲にしていますが、どういう設計なのかを正しく理解してください」と述べました。
続いて8班に分かれ、教室をはじめ学生交流サロンや階段、エレベーターホール、男女トイレなどを実測しました。
学生たちは各々がコンベックスと呼ばれるメジャーを手に、机と机の間隔や天井から床までの高さ、階段の踏面の幅や段の高さ、手すりの高さなどを計っていきました。
最初は一人ずつ実測していた学生もだんだんと班の仲間と協力しながら取り組み、踊り場の役割や洗面台の配置の意味などを話し合いました。
また、各班には1人ずつ教員が付き、「一般的な建築で事故が多いのは階段です。階段は、安全かつ快適でなければならない」「できるだけ大きな箇所から測ること。小さな所から測ると誤差が積み重なって大きくなります」などと助言しました。
実測後は教室に戻り、測った長さを方眼紙に100分の1スケールで記入。「建築はミリメートル単位で表示する」というルールのもと、班の仲間と計算しながら図面を完成させました。
普段なにげなく使っている空間や、そこにあるさまざまなものを実際に測ることは、建築学に足を踏み入れたばかりの新入生たちにとって、とても新鮮な体験だったことと思います。これからより多くのことを学び、知識と技術はもちろん、人間力やコミュニケーション力を持つ建築のプロをめざしてほしいと思います。