建築学科の矢ケ崎善太郎教授が、松原市教育委員会より依頼を受け、来迎寺山門の調査を行っています。
矢ヶ崎教授は同市文化財保護審議委員を務めており、この調査は、建物の歴史的価値を明確にしておくために実施。
今回の調査では、デジタルによる歴史的建造物の新たな調査方法の確立を目指し、建築学科の辻聖晃教授、飯島憲一教授と協同で研究が進められています。
今回は、様々な方向から撮影した写真を解析して3Dモデルを作るフォトグラメトリという方法での計測を試みました。
通常、建築の3Dスキャンには高価なマシンが必要ですが、フォトグラメトリはカメラ・コンピューター・専用のソフトウェアがあれば3Dモデルを作成することができます。
参考)飯島研究室の学生による、フォトグラメトリを用いたサヴォア邸1/100模型の3Dデータ
下の2点の写真は、辻教授が調査後数時間で作成した成果です。従来の手書き図面に比べると短時間で多くの情報が記録されます。
妻面彫刻外側(正面から見て左側)
蟇股彫刻内側(扁額裏)
今回の調査では、特徴の記録作業を矢ヶ崎教授、計測作業は飯島教授と辻教授がそれぞれ担当し、矢ヶ崎研究室の学生2名と飯島研究室の学生2名が参加しました。両研究室の学生は、今回の経験を活かして自身の卒業研究を進める予定です。
今後、この結果をもとに、さらに調査を進め、実測図を松原市に提出する予定です。