一般社団法人組込みシステム技術協会が主催する、スマート社会を実現するエッジテクノロジー総合展「Embedded Technology West2019/IoT Technology West2019」が6月13日(木)・14日(金)、グランフロント大阪で開催され、総合情報学部情報学科の南角研究室(南角茂樹教授)が出展しました。IoT時代を迎えて組み込み技術の重要性と将来への期待がますます高まる中、同研究室は最先端の組み込み技術に関する研究を発信。展示ブースを訪れた企業の研究者や開発担当者の皆さまは、南角教授や学生たちの説明に熱心に耳を傾けたり質問したりと、興味を示されていました。
同展覧会は「アジア最大規模のエッジテクノロジー総合技術展」をめざし、テクノロジー視点にとどまらず、インダストリやマーケット視点からの訴求を高めようと幅広い領域から最新トレンドを発信。新たなIoTサービスの創出を促進しています。
南角研究室は2014年から毎年出展し、6年目の今年は「REMON-MPの提案と評価」「マルチコアプロセッサ組み込みシステムにおけるパーミッションベース相互排除方式の提案」の2つの研究テーマを発表。学生15人が、訪れた企業担当者から寄せられた質問に丁寧に答え、意見交換を行いました。
展覧会に今回初めて参加したという企業の組み込みソフトウエア開発者は、本研究に関する実現方式と今後の計画について質問し「明確な回答で非常にわかりやすかったです。学生のうちにこうした研究ができる幸せをかみしめ、これからも続けていってほしい」とエールを送られました。
説明に当たった総合情報学研究科修士課程コンピュータサイエンス専攻南角研究室1年生の中武教輔さんは「この研究を始めるまでは苦労の連続でした。シングルコアの研究からマルチコアに移行した時に困難な問題に直面しましたが、仕様書や別のOSのプログラムを何度もチェックしてやっと理解することができ、この分野の楽しさや魅力が実感できました。将来は組み込みシステムに関する仕事をしたいです」と振り返りました。
会場を訪れた本学OBで現在は企業の技術者として活躍する喜多勇介さんは「自分たちのころに比べてかなり高度な研究に進化していますね」と驚いた様子でした。
三菱電機で20年以上、組み込みソフトウエアエンジニアとして研究開発を担当していた南角教授は「毎年、学生が引き継ぎ、積み重ねてきた研究テーマであり、三菱電機先端技術総合研究所との共同研究でもあることから、いわゆる学生の研究レベルは超えていると思います。まだまだ課題は多く、研究に終わりはありません」と話し、学生に対して「考え抜く力とひらめき、瞬発力を、ぜひ在学中に身に付けてもらいたいですね」と期待を込めました。