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2024.09.11

情報工学科1年生の学生がプリクラ機の制作を行いました!

大阪電気通信大学高等学校 工学科IoT情報通信コースから、この春本学へ進学した1年生の学生3名が自身の力だけでプリクラ機を制作し、オープンキャンパスで披露しました。
キッカケは高校時代に開発した食堂の混雑状況把握システム『電通シラス』。これが情報通信工学部長である小森政嗣教授の耳に入り、「オープンキャンパスへ向けて来場者が楽しめるシステムを制作してみませんか?」という小森教授の一言から、彼らは動き出しました。
入学してまだ半年の学生らが何を考え、どう行動し、どのようにシステム開発に至ったのか。座談会形式で話を聞きました。
 
今回話をお聞きしたのはプリクラ機を制作した次の3名です。
 情報通信工学部 情報工学科1年 岡本 義正さん【ノートパソコン】
 情報通信工学部 情報工学科1年 片岡 陸飛さん【ガラケー】
 情報通信工学部 通信工学科1年 辻 寛太さん 【DVDデッキ】
※ 話を聞くと3人とも幼い頃から機械いじりが好きだったとのことで、【 】内は3人が幼い頃に分解して遊んでいたモノです。
 
―:制作の経緯を教えてください
(片岡)授業終わりの雑談の中から小森教授にお声がけいただきました。僕たちも何か制作することで大学や情報工学科の魅力を外部の人たちにも知ってもらいたいと考えていたので有難かったです。
(岡本)高校時代に制作した「電通シラス」というシステムを知っていただき、これが縁で新たなシステム開発ができることになりました。今回はオープンキャンパスにも出展するということで、実際に使用した方々の生の意見を聞くことができるという点にも魅力を感じてすぐに動き出しました。
 
―:プリクラ機制作というアイデアはすぐに出てきたのですか?
(片岡)他にもいろいろな候補がありました。例えば、人や物体の動きをデジタルデータ化するモーションキャプチャーという技術では、特殊なスーツを着用し、そのスーツにマーカーを付けて…これまた特殊なカメラで撮影するなど、非常に大掛かりな設備と準備が必要になります。うちの大学の四條畷キャンパスにはなんとこの設備があるのですが笑 今回マーカーを付けることなく、簡易的にモーションキャプチャーができればという思いから「擬似モーションキャプチャー」システムを考えました。
(辻)「ゴミ分別検知器」というアイデアも出ましたね。例えばペットボトル専用のごみ箱に缶を捨てようとするとアラートが鳴って間違いを事前に防ぐなど。SDGsなどにも配慮した新たなゴミ箱です。
(岡本)これは、何の役に立つか僕たちにも分かりませんが、「聞き間違いAIおばあちゃん」というシステムも考えました笑 これは、どんな言葉を話しかけても、登録したキーワードに関連した聞き間違いをして会話してくれるというもので、例えば阪神タイガースと登録しておけば、どんな内容でも阪神タイガースに関連した聞き間違いをするAIおばあちゃんと会話ができるというシステムです。3人で話し合い、他にもいろいろなアイデアが出てきましたが、いずれもAIや画像認識システムをうまく活用したいという希望は一致していました。
 
―:さまざまな企画アイデアの中で最終的にプリクラ機になったのはなぜですか?
(片岡)オープンキャンパス来場者に楽しんでもらうにはどの企画が一番良いのかを3人で考え、高校生やその保護者など幅広い年代の方々に喜んでもらえるのではないかという理由からプリクラ機に決定しました。あと裏話ですが本学には女子学生が少ないので、プリクラ機を題材にすることで女子にもっと本学のオープンキャンパスに来てほしいという淡い期待もありました笑
 
 
 
―: 今回のシステムにはどのような技術やツールが組み込まれているのですか?
(岡本)フロントエンドと呼ばれる直接ユーザーの目に触れる箇所には、HTML/JavaScript/CSSを採用し、バックエンドと呼ばれるユーザーの目に見えない裏側にはPython/Node.jsを採用しています。例えばPythonは、目を大きくしたり肌感を美しくしたりするなど撮影した写真の加工に活用していました。
 
―:オープンキャンパスで実際にお披露目されましたが、来場者の反応はいかがでしたか?
(辻)本物のプリクラのように、ペイント機能やスタンプ機能も付けたことで、来場者がみな楽しそうに操作されていたことが印象的でした。また、開発技術について保護者や高校生の方より質問を受けるなど、デジタルスキルやモノづくりが好きな方々とのコミュニケーション取ることができた時間は僕たちにとっても貴重な経験でした。
(片岡)今年のオープンキャンパスは6月7月8月9月と4回あり、6月は制作の様子を実際にオープンキャンパスの場で見ていただきました。そして、7~9月は完成したプリクラ機の体験をしていただきましたが、6月のオープンキャンパスに参加された高校生が7月の完成を楽しみに、2カ月連続で来てくれた時はうれしかったですね!
 
―:今回の経験を経て何か感じたことや得たことはありますか。
(岡本)これまでにもさまざまなシステム開発を行っていましたが、今回のように発表する機会はそれほど多くありませんでした。ユーザーに実際に使っていただくという場があったことが、大きなモチベーションにつながりました。
(片岡)今回は開発技術を高めるだけでなく、「体験して楽しんでいただく」ことをより意識し外側の幕や演出までこだわって制作しました。結果として、プロモーションに関することなどプログラミング以外の技術やノウハウを向上させることができました。一方で、まだシステムや見せ方に改善点もあるのでしっかり、ブラッシュアップをしていきたいとも考えています。
(辻)僕たち3人は、さまざまなシステム開発をすると同時に、学生の目線で大学をPRする学生広報の活動や大学祭実行委員、大学生の日常を動画で発信するVlogサークルなどさまざまな活動をしています。今回のプリクラ機の制作も最後まであきらめずにチャレンジしたことで、ほかの活動や普段の学生生活にも良い相乗効果が生まれました。
 
―:開発秘話などがあれば教えてください
(片岡)プリクラに欠かせない顔加工の技術には、ChatGPT(チャットGPT)を活用しました。輪郭の座標を測り、顔加工をしようとしましたがうまくいかなかったため、肌のトーンで判断するなど別の方法で肌の部分が明るくなるようなシステムにしています。
(辻)プリクラ筐体(垂れ幕)のモデルは、片岡くんと学生広報の他メンバーが協力してくれました。撮影も片岡くんがしたよね。
(岡本)みんなが協力してくれたので良かったです!今回採用されなかったアイデアもいつか、形にしていきたいですね。
 
―:ということはいつか「聞き間違いAIおばあちゃん」が学内に登場する日も近いということですか?
(岡本)楽しみにしていてください!
 
―:本日はありがとうございました!
(全員)ありがとうございました!
 
 

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