2月15日(月)、16日(火)に通信工学科4年生が「卒業研究発表会」を行い、今年度も多彩な研究テーマが披露されました。
1年間の研究成果を時間制限内に発表し、研究内容について先生方より質問も多く飛び交った2日間。学生たちは無事に発表を終えました。
昨年度から、新たな取り組みとして、わかりやすい発表・頑張った研究を評価するという「学生投票」を行っています。
例年とは異なり、新型コロナウイルス感染症拡大防止のために4年生以外の対面参加を制限し、3年生などはGoogle Meetでリモート参加をしました。
発表後、各教員より総評が行われ「今年は新型コロナウイルス感染症拡大により、大変な状況の中、全ての学生が卒業論文を提出・発表することができてホッとしています。たくさん準備をしてきた中、発表が上手くいった人もそうではない人もいい体験になったと思います」「卒業研究で身に付けたノウハウや知識を、今後も活かしてほしいです」「卒業研究も仕事も目的を持って取り組むものだと忘れないでほしい。発表を聞いていると、締め切りギリギリまで努力をした姿が見えてきました。自信をもって4月からも頑張ってください」と、特殊な環境下で努力をしてきた4年生を称えました。
最優秀発表賞(友電会賞※)は、「格子マスキング画像によるアモーダル補完を利用したCAPTCHAの提案」をテーマに発表した太田拓真さん(通信工学科4年生・村上B研究室)が選ばれました。
無料メールやSNSのサービスに対するスパム行為やアカウントの不正取得を防ぐために、文字や画像を認識させて人間と機械(BOT)を見分けるCAPTHAがありますが、高性能化するBOTに対抗するためCAPTHAが複雑化し、逆に人間が認識できないという問題が発生しています。太田さんの研究では、画像を格子で覆い文字や絵の一部を隠したマスキング画像を用いて、人間の持つアモーダル補完能力(見えない部分を頭の中で補う力)を利用して、人間と機械(BOT)を識別するCAPTCHAを提案しています。
太田さんは「先生や、研究室の先輩方のおかげで研究を進めることができました」と受賞の喜びや感謝を述べました。
例年にない形の卒業研究発表でしたが、教員や学生の念入りな準備により、無事に開催することができました。
発表を終えた4年生は、達成感と清々しい気持ちでいっぱいの様子でした。
【最優秀発表賞】(友電会賞※)
卒業研究題目:格子マスキング画像によるアモーダル補完を利用したCAPTCHAの提案
太田拓真さん(村上B研究室)
【セッション別優秀発表者】
セッション1:大学生のSNS利用状況と実測データとの比較に関する研究 西村凌さん(佐藤研究室)
セッション2:SNSのユーザ特性の調査とその利用方法に関する研究 永野寛之さん(佐藤研究室)
セッション3:EDFAを用いたハイパワー光源の作製と埃が及ぼすFCコネクタの影響調査 西岡駿さん(木原研究室)
セッション4:SOSIナップザック暗号の高密度な秘密鍵設計法の提案とPARI/GPによる実装 佐藤南さん(村上B研究室)
セッション5:Ku帯衛星回線における降雨減衰統計の年変動特性について 布野翔也さん(前川研究室)
セッション6:格子マスキング画像によるアモーダル補完を利用したCAPTCHAの提案 太田拓真さん(村上B研究室)
セッション7:融着接続部を持った光ファイバ心線の寿命予測の研究 長廣瑞さん(木原研究室)
セッション8:オンラインゲームにおける通信フロー特性の基礎調査に関する研究 松本拓也さん(佐藤研究室)
※友電会賞:学業成績・スポーツ・社会奉仕活動を通した社会貢献等、学科により相応しいと思われる成果をあげた5学部全学科の卒業予定者(各学科1名)に対し、大阪電気通信大学友電会(同窓会組織)から贈られる賞です。