2025.04.08
電子通信工学コースの学生が「情報処理学会全国大会」で研究発表しました
3月13日(木)から3日間、立命館大学 大阪いばらきキャンパス(大阪府茨木市)で開催された「情報処理学会 第87回全国大会」で、真田貴衣さん(工学研究科電子通信工学コース1年※)と田中秀征さん(同研究科同コース1年※)が研究発表を行い、真田さんが学生奨励賞を受賞しました。
情報処理学会は、1960年の設立以来、情報処理分野の発展において指導的役割を果たしてきた、日本最大の学会です。全国大会は年に1度開催される学会最大のイベントであり、最新の学術・技術動向や研究成果、革新的なアイディアについての発表と、活発な意見交換が行われます。
今回の学生奨励賞は、学生セッションにおいて発表を行った学生会員の中から、特に優秀な発表に対して授与されるものです。
研究発表の内容は以下のとおりです
【学生奨励賞】タイトル:「VR動画の視聴におけるユーザの主観評価値測定と統計的分析」
真田貴衣、佐藤寧洋(大学院 工学研究科電子通信工学コース准教授)
概要:本研究では、一般に普及しつつあるVRコンテンツ視聴における「没入感」と「ネットワーク品質」の関係性に着目し、異なる品質のVR動画に対するユーザの主観評価値の測定と統計的分析を行いました。主観評価測定実験にはACR法を用い、被験者に対して異なる品質のVR動画を視聴してもらい、5段階で評価してもらいました。さらに、系列カテゴリ法を用いて、動画の品質と主観評価値の関係性を明らかにし、より最適なネットワーク制御に寄与する制御パラメータの明確化を図りました。
タイトル:「災害情報に基づく SNS トラヒックの優先制御システム」
田中秀征、佐藤寧洋(大学院 工学研究科電子通信工学コース准教授)
概要:本研究では、災害時における情報配信方法として利用が進んでいるSNSに着目し、災害情報に基づくトラヒック優先制御システムを提案しました。本システムは、気象庁などから発出される災害情報をもとに被災地域を特定し、その地域からの発信されるSNSトラヒックの優先度を高めることで、ネットワークの輻輳状態を緩和し、よりスムーズな情報配信を実現することを目的としています。具体的には、OpenFlowネットワーク上に本システムを実装し、災害情報の取得、優先度の設定、SNS トラヒックの識別を行うことで、本システムに有用性があることを示しました。
■学生コメント
真田貴衣さん
「今回の研究はユーザ評価が中心だったため、個人差が明確に表れた点が印象的でした。また、検証するにあたって協力者を集めるのに苦労したり、慣れないソフトを使う必要があったりと、さまざまな困難がありました。それでも、多くの学生や仲間に支えてもらいながら取り組むことができ、感謝の気持ちでいっぱいです。この研究は決して一人では成し得なかったものであり、今回このような賞をいただき、成果が評価されたことを大変嬉しく思います。大会では多くの改善点もいただきましたが、そうしたフィードバックも含めて研究の一部だと考え、今後もより一層努力を重ねていきたいと思います」
田中秀征さん
「今後も学会に積極的に参加し、研究発表を続けていきたいと思っています。災害時に役立つ自分なりのシステムを作りたいという思いから、SNSに着目してこの研究を始めました。まだ実装途中で苦労も多いですが、実際に動くプログラムを完成させ、結果を出したいと考えています。研究はとても楽しく、周囲からも「面白そう」「期待している」と言ってもらえるのが励みです。自分だけの研究にとどめず、実用化して多くの人の助けになれるよう、今後も努力を続けていきます」
※学年は受賞当時のものとなります
情報処理学会 第87回全国大会
https://www.ipsj.or.jp/event/taikai/87/index.html
全国大会 学生奨励賞
https://www.ipsj.or.jp/award/taikaigakusei.html
研究室紹介サイトWHO’S LAB(佐藤寧洋准教授)