2025.10.14
工学専攻電子通信工学コースの学生が「EU-PVSEC」で研究発表
9月22日(月)から26日(金)の5日間、スペイン・ビルバオで開催された国際会議「The 42nd European Photovoltaic Solar Energy Conference and Exhibition (EU-PVSEC)」で、北村威吹さん(工学研究科工学専攻電子通信工学コース2年 濱田研究室)がポスター発表を行いました。
本会議は、40年以上の歴史を持つ太陽光発電分野における世界最大級の国際会議であり、研究、技術、応用に関する最新の成果が発表されるとともに、業界展示会も絵併催されています。世界各国の研究者や企業関係者が一堂に会し、最先端の技術動向をについて議論・交流を行っています。
北村さんは発表を通じて、研究の新規性や実験方法に対して国内外の研究者から建設的なフィードバックを得るとともに、他の研究者によるポスターや発表からも多くの知見を得ることができました。また、ペロブスカイト太陽電池に関連する材料開発や測定技術に関する発表からは、自身の研究に応用可能なヒントを得る貴重な機会となりました。
国際会議での発表を通して、北村さんは「いただいたフィードバックをもとに研究内容を見直し、改善を進めるとともに、他の研究から得た知識を積極的に応用して発展させていきたいと考えています。また、さらに語学力を磨き、今後はより自信を持って議論できるようになりたいです」と語りました。
本活動の費用の一部は、本学独自の制度である「大学院博士前期課程研究費」により支援を受けて実施されました。本研究費は、大学院生の研究・制作活動を支援することを目的とした学内の競争的研究費であり、学内審査を経て採択された学生に設備の購入費や旅費等を支給するものです。
【研究発表概要】
タイトル:「Numerical Simulation of Output Characteristics of Photovoltaic Module with Short- and Open-Circuited Bypass Diodes」
北村威吹(大阪電気通信大学大学院)
概要: 太陽光発電システムにおけるPVモジュールストリングの出力を再現するための新たなモデルを提案。本モデルは、故障抵抗を持つバイパスダイオード(BPD)が故障したPVモジュールストリングの出力をシミュレートするもので、3つのセルストリングで構成されるPVモジュールにおいて、1つのBPDが故障した場合の出力を再現することが可能となる。本モデルの結果と、実際に故障したBPDを含むPVモジュールから得られた実測出力と比較検証した結果、短絡故障や抵抗値0.1~50ΩのBPD、および開放故障を持つPVモジュールの出力特性を再現することができた。また、本モデルはセルストリングが部分的に日陰になる状況も再現できることがわかった明らかとなった。本研究成果は、PVシステムの故障メカニズムの解明や故障診断など、今後さまざまな分野への応用が期待される。
国際会議 EU-PVSEC
工学研究科工学専攻電子通信工学コース
https://www.osakac.ac.jp/faculty/engineering-gr/ec_engineering/
研究室紹介サイトWHO’S LAB(濱田俊之教授)